音楽基礎講座:ヘンじゃない変拍子5・7拍子の巻っ!
ヘンな拍子? 変拍子って何?
🎵 こんにちは、どらみです! (2020.5.11 一部修正いたしました。)
🎵 拍子、拍子記号については、「単純拍子」(2,3,4)= simple meter(s),
「3つの音のかたまり」=1グループとして数える。それが 1小節に 何回分入っているか?で 拍子記号が決まる「複合拍子」(6、9、12)=compound meter(s) を みてきました。
⇓ 今までの「拍」「単純拍子」「複合拍子」については、こちらを ごらんくださいね。⇓
🎵 「変拍子」というのは、今までと ちょっと違う・・・ヘンじゃないんだけれど、
確かにちょっと違う雰囲気を持っている拍子たちです。英語で、いくつか言葉があるんですが、
irregular (regular の反対)meter , odd meter (odd time) ➡ 要するに、規則正しくない、不規則な拍子、ということを意味しているんです。^^
🎵 5、7、8、9、10、11・・・そして 突然 バンっ!と 音楽の流れを さえぎるような「1拍子(1拍だけ^^)」という拍子も存在するんですよね~。
🎵 すごく いろいろあるけれど、その中では、そんなに不自然な感じもせず、
使い方によって、その「不安定さ」が かえって魅力になったりする、「5拍子」「7拍子」に絞って
カンタンに解説してみますね。
🎵 はい、それでは、今日の きょーふの動画のお時間で~す!(^^;)
➡ 途中、5拍子なんぞ、自分でカウント(声を出して)しながら、楽器で メロディの一部を弾いたら、
ぎゃっ!間違えたりしてます。(また作り直し候補の動画~^^💦)
5拍子をみてみよう~!
🎵 動画の中でも説明した通り、「5拍子=quintuple meter」は、
大きくわけて、3つのカタチで使われることが多いです。
1.最初の一拍だけ ドン! と強いアクセントがあり、あとに続く4拍は弱い 5拍子。
2.2拍+3拍 のカタチ。
3.3拍+2拍 のカタチ。 ⇓ 左側 一番下のパターン。画像が ちと切れてますが、説明でわかるかな?
🎵 主に使われるのは、5/4 拍子(基準になる音が quarter note(s) 四分音符),
5/8拍子(基準になる音が eighth note(s) 八分音符) の二種類。この二つがわかれば 大丈夫です。
🎵 動画の中でも 紹介した、ムソルグスキー(ロシア)作曲の「展覧会の絵」から、
何度も形を変えながら登場する「プロムナード」。
美術館の作品を順番にみながら 次の作品へ歩いていく「通路=つなぎ」の役目ももった、
重要で 印象的なメロディ。
短調になったり いろいろですが、美術館内を作品鑑賞しながら歩く・・
当時の音楽家としては、とても斬新な発想と思います。
🎵 冒頭では、5/4拍子と 4/6拍子が 交互に繰り返される形。聴きなれれると、わりと自然に感じませんか?
楽譜では こうなっているんですよね。(⇓ ピアノ 原典版)
🎵 フランスの作曲家、あの「ボレロ」でも有名な、M. ラヴェルが、
このピアノ原曲を 素晴らしいオーケストラ曲に編曲したことでも有名。
🎵 「展覧会の絵」から、「プロムナード」の続き~最後の部分。
更に7/4拍子も加わり、交互に繰り返されています。
いっちばん最後が 3/4拍子で、poco rit. というのは 少しずつゆっくり・・
音量もPP(pianissimo=とても弱く)そして、楽譜 右下に attaca (アタッカ)というイタリア語。
これは 終止線があっても、休まず、即、次の曲に進め! という合図の言葉なんです。
🎵 オーケストラの弦楽器のように、二人で楽譜をシェアする時は、二人組のことを「plut」といい、
たいてい 観客席からみて 奥側の人(=奥側は裏、客席側を表(おもて)といいます。)
が、ほんの少し前に 譜めくりします。
表側の奏者は 譜めくりしない代わりに、絶対に音を 途切れないように演奏する・・・
が 暗黙のお約束です。^^
🎵 もうひとつ、動画の中でも紹介した、こちらの曲。チャイコフスキー交響曲 第6番「悲愴」の第2楽章。
🎵 この楽章は 最初から最後まで 5/4拍子。 ⇓は 冒頭部分。チェロのメロディから始まるので、私のヴァイオリン🎻の譜面には、小さくヘ音記号(F-clef Bass clef)で メロディが記されています。
(Vc というのは、violincello の略。violincello というのが チェロcello の英語正式名称なんです。)
🎵 同じ チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」の 第2楽章続き。
🎵 チェロから始まった テーマのメロディを受け継いで、
17小節目(写真 上から2段目)から first (1st) violin が
三連符(triplets)や付点の入った リズムに変化のある 美しいメロディを担当します。
🎵 これも 薄いオレンジの線を書いてありますが、 たしかに 5拍子・・ですよね。^^
7拍子は どんな感じかな~?
🎵 今度は「7拍子」について。 動画で説明した時の ボードです。
🎵 説明した通り、音符が7つ並んでいて、一番最初の拍だけ ドン! と強いアクセント、あとの6つは弱い拍で・・という 7拍子もあるのです。
🎵 けれど、圧倒的に多い 使われ方は、
1.7つの音を、3つと4つに分ける(3+4)の考えに基づく7拍子。
2.7つの音を 4つと3つに分ける(4+3)の考えに基づく7拍子。
3.7つの音を、3つ、2つ、2つに分ける (3+2+2)の考えに基づく7拍子。
4.7つの音を、2つ、3つ、2つに分ける(2+3+2)の考えに基づく7拍子。
5.上記のような 分け方を、さらに組み合わせて使う 7拍子。
🎵 音が7つ、と 数が多い分、7つを分けるか、分ける(分割する)なら、どう分けるか?
🎵 動画の中で、話だけしていた、英国出身の作曲家、B. ブリテンの「ミサ・ヴレヴィス」から「Gloria」
テンポも かなり速い、7/8拍子です。
🎵 薄いオレンジの線を 書いてありますが、この7拍子は、3+2+2 という 分割が使われています。
🎵 もう一曲。 こちらは ロシアの作曲家、I. ストラヴィンスキーの組曲『火の鳥』、最終楽章の終わり近くです。
楽譜は主に2種類あり、こちらは、オーケストラで演奏したことのある 1919年版楽譜です。
🎵 ペパーミントグリーンで囲んだところ、 ちょっと見づらいけれど、7/4拍子(もーれつ早くなる^^;)、見えますか~?
🎵 同じく「火の鳥(1919年版)」の最終楽章 最後に近いところ。
7/4拍子が続いています。
この楽譜の 7拍子の書き方が、ちょっと変わっていて・・・
🎵 縦の線が 点線(dotted lines)になっているところは 7拍子の分割。
🎵 実線になっているところが、普通の bar lines (小節線)です。
薄いピンクで囲みをつけてありますが、そこまでが 7拍分の1小節。
点線の分割をみると、最初が 3+2+2 の7拍子。
🎵 ところが次の小節は 2+2+3の7拍子。
速いし、大音声でカクカクした音、四分音符(quarter notes)を演奏しているので、
あまり分割 気にならないところですが、楽譜では こうなってる、というところ、
見ていただけると おもしろい。。(期待~!?^^;)
まとめ
🎵 いかがだったでしょうか? 普段、あまりお目にかからない、というか、意識していない「5拍子」や「7拍子」などの 変拍子。
🎵 楽譜をみる機会がないと、これ 何拍子、中の分割はどうなってる?
なんて 考えないで 音楽を聴いていると思います。
🎵 クラシック音楽のみならず、ミュージカルや映画音楽、Jazz など、いろいろな音楽で、
気づかないかもしれないけれど、実は 結構「5拍子」「7拍子」は 使われているんですよ~!
L.バーンスタイン(米国の指揮者、作曲家)の創った、有名な「West Side Story」の中、
「America」は、とても速いけれど、7拍子と6拍子が交互に出てきたり・・・
意外なところで 使われています。
🎵 最初にも書いた通り、5拍子、7拍子・・などは、2,3、4拍子系に比べると、
「不安定」な感じが強い拍子。
けれど、その「不安定さ」が 使い方によっては、独特のリズムを生み、
魅力的な音楽になっていることも多いです。
🎵 まだ 1拍子や ほかの拍子もありますが、 お約束通り、この 5拍子、7拍子をもって、
どらみあん 音楽基礎講座では、「拍と拍子」に関する話は 終わりにしたいと思います。
🎵 これから、以前やった「全音・半音」にも関係するところですが、音と音の へだたり(高さの違い)を表す、「音程 Interval (s)」に 移ろうと思います。 時々息抜きしながら、 ご一緒できたら 幸せです。
最後まで ごらんいただき、どうもありがとうございました。 See you soon ! ^^ 💕
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